はじめに
カウンセリングや福祉サービスの現場でよく使われる言葉にインテークがあります。
しかし「インテークとは何か?」と聞かれると、専門用語のようで難しく、具体的にどんなことを指すのかイメージできない方も少なくありません。
本記事では、インテークとはどのような意味を持つのか、その目的や面接の進め方、注意点を整理し、心理・福祉・医療・教育分野での活用方法をわかりやすく解説します。
インテークの定義や流れについてさらに詳しく知りたい方は、介護・福祉におけるインテーク解説記事や、心理カウンセリングにおけるインテーク面接の解説記事も参考になります。
インテークとは?
インテーク・Intakeとは、直訳すると「取り入れる・受け入れる」という意味を持つ英語です。
心理学・福祉・医療の分野では、相談援助を始める際に行う最初の面接や情報収集の過程を指します。
つまり、クライエント(相談者)と援助者(カウンセラー・ソーシャルワーカー・医療スタッフなど)が初めて出会い、
- どんな困りごとがあるのか
- どんな支援が必要か
- 信頼関係をどう築くか
といった基盤を作る大切なステップです。
インテークの目的
- クライエントの現状把握
困っていることや悩みを丁寧に聞き取り、背景を理解する。生活状況、家族関係、健康状態など幅広い情報を収集する。 - 支援の方向性を整理する
クライエントのニーズを分析し、どのような支援が適切かを考える。必要に応じて医療機関や行政サービスなどへつなげる。 - 信頼関係の構築
初回面接は「この人になら話せる」と思ってもらえるかどうかが重要。安心感を与えることで、支援がスムーズに進みやすくなる。
インテーク面接の流れ
ステップ1・導入・ラポール形成
- 挨拶と自己紹介
- 面接の目的や流れを説明
- プライバシー保護・守秘義務について伝える
ステップ2・情報収集
- 主訴・今一番困っていること
- 現在の生活状況や家族背景
- 健康状態、仕事や学校での様子
- これまでの経緯や相談経験
ステップ3・評価と整理
話された内容をまとめ、課題や支援の方向性を確認する。クライエントにフィードバックする。
ステップ4:今後の見通しを共有
どのような支援を行うか大まかに説明。次回以降の面接や手続きについて確認する。
インテークで大切なポイント
- 傾聴姿勢を持つ → 評価する前に、まず受け止めることが最優先。
- わかりやすい言葉で伝える → 専門用語を使わず、誰にでも理解できる表現を心がける。
- 信頼関係の構築 → クライエントが安心して本音を話せる環境を作る。
- 注意点
いきなり問題解決に入ろうとしない/面接者の主観や価値観を押し付けない/時間配分を意識し、話が逸れすぎないように調整する
インテークの活用場面
- 心理カウンセリング・初回面接でアンケートを行い、相談内容や心理状態を整理する。
- 福祉分野・ソーシャルワーク・生活困窮、障害支援、高齢者介護などの相談窓口で最初に行う。
- 医療現場・患者や家族の生活状況や不安を把握し、治療や支援につなげる。
- 教育分野・スクールカウンセラーや相談員が、子ども・保護者との初回面談で活用する。
インテークとアセスメントの違い
- インテーク・最初の出会いと情報収集、信頼関係づくり
- アセスメント・収集した情報をもとに問題を整理し、支援方針を立てる段階
インテークはアセスメントの前段階であり、質の高いアセスメントにつながる基盤となります。
インテークで使われるシートやツール
実務では、面接の内容を記録するために「インテークシート」を用いることが一般的です。
- 基本情報・氏名、年齢、連絡先など
- 主訴や相談内容
- 家族構成や生活状況
- 既往歴、支援歴
これらを整理することで、次回以降の面接や支援計画に役立ちます。
まとめ
インテークとは、相談援助における初回面接・情報収集・信頼関係づくりのプロセスを指します。
- クライエントの現状を丁寧に聴き取る
- 支援の方向性を整理する
- 信頼関係を築き、安心感を与える
カウンセリングや福祉、医療の現場で、インテークは支援のスタート地点となる重要な役割を果たしています。