SOAP カルテとは?正しい書き方と活用法を徹底解説

soap カルテ 2025

はじめに

医療現場や介護、リハビリの分野でよく耳にする・SOAPカルテ。
患者さんの状態を記録する際に用いられる標準的なフレームワークですが、なぜSOAPなのか?・どう書けばよいのか?と迷う方も少なくありません。
本記事では、SOAP カルテの基本概念・各項目の意味・書き方の具体例・活用のポイントを整理し、初心者から実務者まで役立つ内容をお届けします。

さらに詳しい記載例や現場での実践方法については、電子カルテの書き方SOAP解説(PHC)や、SOAP記録の例文と導入ポイント(ソラスト)も参考になります。

SOAP カルテとは?

SOAPカルテとは、患者情報を4つの視点に分けて整理する記録法です。

  • S・Subjective・主観情報
    患者本人や家族が訴える内容。例・頭が重い・昨夜眠れなかった
  • O・Objective・客観情報
    医療者が観察・測定した内容。例・体温、血圧、検査値、歩行状態など
  • A・Assessment・評価
    SとOを統合して医療者が判断した状態像。例・頭痛は緊張型の可能性が高い
  • P・Plan・計画
    今後の対応や治療方針。例・鎮痛薬を処方・リハビリを継続

この4つの頭文字をとってSOAPと呼びます。

SOAP カルテの特徴とメリット

  1. 情報整理がしやすい
    バラバラになりがちな患者情報を体系的にまとめることができます。
  2. チーム医療に強い
    看護師、薬剤師、理学療法士など多職種間での情報共有が円滑になります。
  3. 思考プロセスが明確になる
    単なる記録ではなく、どう評価してどう行動したかが見える化されるため、再現性や責任の所在がはっきりします。

各項目の書き方と実例

S:主観情報

痛い・眠れない・食欲がないなど、患者や家族の言葉をできるだけ忠実に記録する。
注意点・医療者の解釈を混ぜず、そのまま書くこと。

例: 昨日の夜から頭痛がして眠れませんでした。

O・客観情報

バイタルサイン、検査結果、目視できる症状など。誰が見ても同じように判断できる情報を書く。

例: 体温・37.8℃、血圧・140/90mmHg、歩行はふらつきあり。

A・評価

SとOを踏まえて、医療者が専門的にまとめる部分。仮説的でもよいが、根拠を意識すること。

例: 発熱と頭痛から、ウイルス感染による影響が疑われる。

P・計画

診断や治療方針、生活指導、次回の観察点などを記す。チーム全体で共有できるように具体的にする。

例: 解熱剤を処方。水分補給を促し、次回は体温と頭痛の経過を再評価。

SOAP カルテを書くときの注意点

避けたい書き方
曖昧な表現・なんとなく・少しなどは避ける。
主観と客観の混同・患者がだるそうに見えた→客観情報に基づく具体性が必要。

良い書き方
誰が読んでも理解できる文章にする。
記録の一貫性を守る。

SOAP カルテの活用場面

  • 医師・看護師・外来や病棟での日々の経過記録。
  • 薬剤師・服薬指導や副作用のモニタリング。
  • 理学療法士・作業療法士・リハビリ経過の観察と計画。
  • 介護現場・利用者の体調変化やケア方針の共有。

まとめ

SOAP カルテは単なる記録ツールではなく、患者理解を深め、チーム医療を支える思考法です。

  • 情報をS・O・A・Pに分けることで整理しやすい
  • 他職種との連携がスムーズになる
  • 専門家の評価・計画が明確になる

つまり、書くための作業ではなく、考えるためのフレームワークとしてSOAP カルテを活用することが、医療者の成長と患者ケアの質向上につながります。

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